ND-Kyotoに参画する企業7社による学生相談会
京都大学DIINセンターと共同で実施
- 就職活動とは違い、本音の対話をしました
- 多くの学生と企業が出会うことで、お互いに様々な気づきが生まれました
- 9大学11名の学生と企業7社が参加
- 一人あたり2~3社と個別相談を実施

全体説明の様子
2025年6月21日(土)、京都大学DIINセンター(※1)とND京都(※2)が共同で「DEARサミット(ND京都版)」を開催しました。
「DEAR」とは Direct consultation with Employers And Resources の略称で、障害のある学生に対して、企業の人事担当者との個別相談の機会を提供することにより、社会への進出・移行を考える機会を創出し、大学から社会へのシームレスな移行の促進を目指すものであり、2019年度から京都大学で実施されてきたプログラムです。
企業としても、障害のある学生への理解がまだ不十分であり、企業と学生が“本音”で語り合える相互理解の場が必要という課題がありました。そこで今回は、DIINセンターとND京都が連携することで複数大学と複数企業による個別相談会を実現しました。
今回は、9大学11名の学生と企業7社が参加し、1回30分の相談会を4セッションすることで、一人あたり2~3社の企業と相談できるように運営しました。
冒頭に、今回の主催者であるDIINセンターの村田淳先生から、以下の趣旨説明がありました。
- 学生にとっては「就職活動をうまくやって内定を得られることではなく、就職後にやりがいを持って働き・生活できること」が大切。
- 企業にとっては「重要な人材として企業に貢献してもらうこと」が大切。
- このWin-Winのためにはマッチングが重要だが、就活の場面だけでは不十分である。
- その実現のために、本日の相談会(就活に直面していないタイミング)においては、学生は興味・関心・不安・心配事など様々な事を遠慮せずに聞くこと、それに対して企業の担当者が本音で答えるということを大切にしてほしい。

DIINセンター 村田淳先生の説明
その後、企業担当者が待つ部屋に学生が訪問する形で4回のセッションを進めました。最初、緊張していた学生たちも、企業担当者と話をするうちに気持ちのこもったやりとりができたようです。「企業では障害のある方がどのような仕事をしているのか」「どのような配慮をしてもらえるのか」「就労までに準備しておくべきことは何か」「手帳は取った方が良いのか」…など。
セッション間の休憩時間には、参加学生同士で「あの企業の話はこうだった」「この相談についてはこんな気づきがあった」など、得られた情報を積極的に交換し合っている姿が見られました。
当日の参加者アンケートは以下に掲載の通りです。
アンケート結果も踏まえて、今回の機会は学生・企業双方にとって大変有意義であったと評価しています。より多くの学生と企業が出会うことで様々な気づきが生まれ、将来の多様なマッチングへと繋がっていきます。ND京都として今後もこの取り組みを継続し、京都から多彩な人材が能力を発揮し活躍する機会を数多く生み出していきたいと考えています。
※1) DIINセンター: 京都大学 ディスアビリティ・インクルージョンセンター
2025 年 4 月に京都大学 学生総合支援機構の附属センターとして設置。障害分野について、地域社会におけるネットワークの構築や各種のプロジェクトを実施。
※2)ND京都: ニューロダイバーシティ京都地域連携会議
京都を中心に、障害のある学生の新たな採用のあり方にチャレンジしている企業の集まり。12企業、4支援機関等により構成。詳細は、当ポータルサイトを参照。
— 参加者アンケート結果 —
○学生アンケートより
(全体として)
参加者の90%が「満足」、「やや満足」と評価しました。
障害者雇用の実際や企業の姿勢に触れることができたことが評価されたようです。
単なる企業相談の場にとどまらず、自分の将来像や自己理解に影響を与える実践的な学びの機会であったようです。
(個別の意見)
自己理解の深化
「障害者雇用の内容を知れてよかった」
「自分でも知らなかった自分に気づけた」
「見知らぬ人との対話に緊張したが、実際の対話を通じて有益な情報を得られた」
「障害のある状態での正社員採用の難しさを知るきっかけになった」
「障害開示について悩む学生が多いことが印象に残った」
進路選択への意識変化
「自分に何ができるかを考えておきたい」
「現状の課題を解決する職に就きたいという意欲が湧いた」
○企業アンケートより
(全体として)
全ての参加企業が「満足」と評価しました。
障害学生への理解を深める実践的な場であると同時に、自社の対応や取り組みを振り返る契機となったことが明らかになりました。
(個別の意見)
直接対話の機会
「学生との対話が有意義だった」
「初めて障害のある学生と直接対話したことが新鮮だった」
「限られた時間でも充実した対話ができた」
支援や対応について考える契機に
「障害の有無を開示するかどうかを悩んでいる学生が多かった点が印象に残った」
「学生の考え方や就職活動における迷いに直接触れることができた」
今後の採用活動への気づき
「他社担当者との交流もあり参考になった」
「会社見学などの機会があれば、より学生にイメージを持ってもらえるのではないか」